歯が抜けてしまった部分のお口の機能を取り戻すための治療の選択肢の１つとして『入れ歯を入れる』ということがあります。

入れ歯を作る顎に、歯が一本でも残っていれば部分入れ歯、歯が全く残っていなければ総入れ歯を入れることになります。

当院では、自費の入れ歯、保険の入れ歯のどちらにもご対応が可能です。

当院でお作りできる入れ歯には以下のものがあります。

レジン床義歯（保険で入れられる入れ歯）

レジン床義歯とは

レジン床義歯は、歯肉や顎骨の粘膜に触れる部分は歯肉の、歯の部分は歯の色をした、レジンと呼ばれる歯科用プラスチック樹脂で作られます。

部分入れ歯ではこれに、残っている歯に掛けることで支えの働きをする金属製のワイヤーが加わります。

レジン床義歯のメリット・デメリット

レジン床義歯のメリットは保険で安価に作成できることなのですが、一方でデメリットもございます。

レジン床義歯のデメリットは、プラスチック材料で出来た入れ歯なので割れるのを避けるために一定の厚みが必要なことに起因しています。

個人差はあるのですが、その厚みのためにお口に入れたものの温度を感じにくかったり、お口の中が狭くなったような感じがしてしまうのです。

食べ物の温度を感じにくくなることで入れ歯を入れる前と同じようにお食事を楽しめなかったり、厚みによるお口の中の違和感で会話がしにくいと感じる方もいらっしゃいます。

このように入れ歯自体がプラスチック材料で出来ていることで丈夫さに欠けるところはあるレジン床義歯なのですが、壊れたときの修理が比較的容易なことはメリットといえるでしょう。

製作開始から完成までに4回ほど週に1回の頻度で来院していただき、作り始めてから1か月ほどでお渡しできることが多いです。

ノンクラスプデンチャー

ノンクラスプデンチャーとは

ノンクラスプデンチャーは、入れ歯全体が自然な歯肉や歯の色が再現された特殊な樹脂で作られた、軽量で（弾性のある）審美性に優れた部分入れ歯です。

通常の部分入れ歯では、残っている歯にクラスプと呼ばれる金属製のワイヤーを掛けて入れ歯を安定させるのですが、ノンクラスプデンチャーでは、自然な歯ぐきの色をした入れ歯の素材がそのまま移行する形でクラスプ状になっているため、金属を使う部分がかなり少なく、大きく口を開いても入れ歯をしていることがほとんどわかりません。

「部分入れ歯の、歯にかける金属製のワイヤーが見えるのが嫌」な方におすすめの治療法です。

ノンクラスプデンチャーのメリット・デメリット

ノンクラスプデンチャーのメリットは、支えとなる歯に金属のワイヤーを使わず、入れ歯のほとんどが歯肉と歯の色の樹脂で作られるために見た目に自然で美しく、部分入れ歯をつけていることにほとんど気づかれないこと、一般的な部分入れ歯より軽いこと、装着感が良いことが挙げられます。金属アレルギーのある方にもお使いいただけます。

一方デメリットは、保険がきかず自費治療となること、強度はそれほど高くないので噛み合わせによっては壊れやすいこと、壊れると修理がしにくいことが挙げられます。

金属床義歯

金属床義歯とは

入れ歯自体の厚みをなるべく薄く、熱伝導性をよく、使用時の違和感をできるだけなくした入れ歯が金属床義歯です。

レジン床義歯の、お口の内側で外からは見えにくい、ちょうど舌の動く範囲のレジンを、チタンやコバルトクロムといった生体親和性の高い金属素材に置き換えることで、薄くて自然な使用感の入れ歯をお作りすることが出来ます。

金属床義歯のメリット・デメリット

金属の優れた熱伝導性により、食べ物の熱い・冷たいがダイレクトにお口の中に伝わり、お食事が保険の入れ歯よりかは自然に楽しんでいただけます。

また、厚みが比較的薄いことで発音に問題が出にくく、保険の入れ歯よりかは自然に会話がしやすいこと、汚れがつきにくく清掃がしやすいのもメリットです。

デメリットは、破損した場合の修理が難しいこと、金属アレルギーがある方にはお作りできないこと、より丁寧に作るため完成まで少々お時間をいただくこと、保険治療でなく自費治療になることです。

入れ歯の費用

＊全て税込み表記

ノンクラスプデンチャー	110,000～250,000円（大きさ、素材による）
金属床義歯	385,000円～（大きさによる）
レジン床義歯	保険適応